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オンライン診療 試行へ 木曽病院 巡回先で9月から 通院負担軽減へ 医師不足解消も

オンライン診療を試験導入する方針が示された木曽病院運営協議会

 中山間地域の医療体制を守るため、県立木曽病院(木曽町福島)は今秋、同病院と巡回診療先(集会所)やグループホームをオンラインで結んで診療を行う実証実験を始める。医師は病院でモニター画面を通じて患者の診察を行う。スマホやパソコンなどの機器に不慣れな高齢者が多い地域性を考慮して、患者側には看護師らのスタッフが同席して診察を補助する。

 上松町小川の才児集会所で同病院が毎月1回行っている巡回診療に、9月21日から隔月で導入する。秋以降をめどに、郡内のグループホームで実施している入居者への訪問診療のうち、1施設を対象に導入する。患者にとっては病院での待ち時間の短縮や通院困難者の移動負担の軽減が期待でき、病院側にとっても、医師不足や地域偏在といった課題への対策につながるメリットが見込まれるという。効果が確認できれば郡内他地域にも拡大していきたい考えだ。
 10日に病院内で開かれた地域代表者らの病院運営協議会で報告した。濱野英明院長は、新型コロナウイルス禍、臨時特例的に大幅拡大されてきた電話診療・オンライン診療の実施が今月末で終了することに触れながら「本年度はまず試行する段階。地域の皆さんに随時相談させていただきながら取り組みたい」と話した。