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3月閉店の洋食店「盛よし」の味が完全復活へ 元店主が協力し千葉の企業が運営

 店主の体調不良で惜しまれながら3月に閉店した老舗洋食店「民芸レストラン盛よし」(松本市深志2)の味を再現した店が8月、以前の店舗を活用してオープンすることになった。千葉市のマーケティング会社・オニオン新聞社(山本寛社長)が運営する。盛よしを経営した須沢盛義さん(72)=城山=の協力を得て、メニューをすべて完全復活する。

 事業承継も手掛ける同社の社員で、安曇野市在住の淺川和也さん(34)が6月、盛よしの店舗が賃貸物件として出ていることを知り、復活への話が動き出した。不動産会社を通じ、須沢さんを紹介してもらい、レシピの提供を受けることが決まった。盛よしで働いていた調理担当の男性2人も同社の社員となり、店で働くことになった。
 メニューはセットなどを含め、すべて完全復活する。当初は代表的なメニューだけの予定だったが、以前のファンが訪れた際、好きだったメニューがなくなっていたら悲しいだろうと完全復活にこだわった。松本民芸家具など、店内もほぼ閉店時のまま使う。店名は今後、決めるという。
 須沢さんは「病気にならなければ店を続けていたので、無念さはあった。だからうれしい半面、(店を営んでいた時のように)自分で毎回、味見はできないので、お客さんを満足させられるか不安はある」と語る。淺川さんは「再現して味が落ちたといわれないかプレッシャーはあるが、須沢さんたちの思いを引き継いでいきたい」と語っている。