地域の話題

忍者の栄養食・兵糧丸 山屋御飴所が再現、発売へ

「松本兵糧丸」を持つ太田代表(左)と井上・信大名誉教授

 松本市大手2のあめ店・山屋御飴所(太田喜久代表)は14日、忍者の栄養食である兵糧丸を発売する。松本藩主の戸田家に忍びとして使えた芥川家が残した古文書の作り方を基に再現。そば粉や朝鮮ニンジンの素朴な味が特徴で、栄養価も高い兵糧丸が現代の食べ物として生まれ変わり、商品化された。

 商品化のきっかけは、農学博士で信州大学名誉教授の井上直人さん(70)=上伊那郡南箕輪村=が、作り方が書かれた古文書を市内で発見したことだった。自ら再現してみたが苦いだけで、現代でも食べられるものにしたいと山屋御飴所に商品化の話を持ち掛けた。
 太田代表が1年以上かけ試作した。当時の材料はもち米、朝鮮ニンジン、そば粉だったが、おいしくするために、もち米を米あめに変更。商品化に当たり、古文書の作り方に近い味のほか、「抹茶乳味」、「コーヒー乳味」を加えた。
 井上さんの研究によると、従来の兵糧丸にはストレス緩和作用があるGABA(ギャバ)や、強力な成長ホルモン増強物質であるアルギニンが多く含まれる。商品化した兵糧丸は含有量は調べていないが、井上さんは「材料はほぼ同じなので、ストレスを抱える現代人にとっても良い効果があるのでは」と話す。太田代表は「ロマンを感じながら、歴史ある味を食べてもらいたい」と話している。
 商品名は「松本兵糧丸」で、3種類の味が3粒ずつ入り、1000円。問い合わせは山屋御飴所(電話0263・32・4848)へ。