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木祖・湯川酒造店の日本酒 世界的なコンペで最優秀賞

受賞酒を手に喜びをかみしめる湯川社長

 木祖村薮原の湯川酒造店の日本酒「十六代九郎右衛門 純米吟醸 美山錦」が5日、世界的なワイン品評会「インターナショナルワインチャレンジ(IWC)」の日本酒部門で最優秀賞「チャンピオン・サケ」に輝いた。創業者の名にあやかった代表的な銘柄で、湯川尚子社長(43)ら社員は喜びをかみしめ、自信につなげている。  

 IWCは毎年、英ロンドンで開催され、世界的に大きな影響力を持つ品評会の一つとして知られている。今年の日本酒部門には、純米酒、純米大吟醸など9カテゴリーに1601銘柄が出品された。事前情報なく酒の味だけで評価するブラインド・テイスティングの審査を経て、各項目で最高位となった9銘柄から「チャンピオン・サケ」が選ばれた。
 純米吟醸のカテゴリーに出品された受賞酒は、小県郡長和町の農家が栽培した酒米・美山錦を使用。木祖村の風土を味わいに生かすため、天然の乳酸を利用した伝統的な製法「生もと造(きもとづくり)」で醸造した。主催者によると、「柔らかな口当たりで、さまざまな料理との相性が素晴らしい」と講評を受けた。
 湯川社長は「自分たちの酒のアイデンティティーを客観的に認めてもらえたのはうれしい。軸足がぶれないように酒造りをしていきたい」と力を込めた。
 受賞酒は早ければ9月にも販売される。