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大工の技 生徒触れる 南木曽中1年生 椅子作り 職人手ほどき

職人に教わり椅子を組み立てていく生徒たち

 南木曽町の南木曽中学校1年生37人は3日、地域の職人らに教わり大工について学ぶ体験学習をした。県と県建設労働組合連合会が協力して開く授業で、大工仕事の説明や技の披露、木製の小椅子の制作を通し理解を深めた。

 木曽建設労働組合から8人が訪れた。代表者がのこぎりや木材の表面を削るちょうな、かんなといった大工道具を使ってみせた。続いて生徒は木板を組み立て、一人一人が座面の高さ20㌢ほどの椅子を作った。職人に手ほどきを受け、金づちを使い真剣な表情でくぎを打ち込み、やすりをかけて仕上げた。片田祐飛君(12)は「木の組み方がずれると椅子がぐらつき難しかったし、職人さんの技のすごさも感じた」と話していた。
 授業では木材活用を通した森林整備の重要性や、大工就業者が県内で減少している現状の説明もあった。木曽建設労組によると、組合員数は現在400人ほどで20年前からほぼ半減し、若手や後継者の不足も深刻という。古畑正美組合長(68)は現状を「壊滅的な状態」と憂い「暮らしを支える大工職について子供たちに伝え、知ってもらう機会になれば」と願っていた。
 授業は本年度、県内で希望があった3中学校で実施される予定。