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「お山を安全に」御嶽山で有志が登山道整備

登山道を保護するために掘られている排水用の溝の枯葉や石、土砂を取り除く参加者(王滝口登山道)

 御嶽山の山開き翌日の恒例となっている登山道整備が2日、地元有志の呼び掛けで行われた。木曽町と王滝村の両登山口に集まった約50人は、枕木を固定したり排水用の溝を掘ったりして、登山者がけがなく歩けるようにと汗を流した。平成26(2014)年の噴火災害以降初めて、王滝頂上(王滝村)と山頂・剣ケ峰(木曽町)を結ぶ尾根「八丁ダルミ」への立ち入りが29日にも可能になる。参加者は、"お山"を訪れる人たちの安全な登山の願いを込めた。

 地元企業や山に関わる人たちでつくる木曽御嶽奉仕会(池田聡寿会長)と、NPO法人木曽ユネスコ協会(井原正登代表)が共催して18年目。作業は平成17(2005)年に王滝村側の王滝口登山道で始まり、翌年、木曽町側の黒沢口登山道での活動が加わった。
 王滝側の登山口・田の原には、奉仕会員に加え、県や村職員、御嶽教の関係者ら県内外から約30人が集まった。木道が始まる「大江大権現」から赤土が目立つ開けた「あかっぱげ」までの区間を中心に整備した。この日の入山禁止区間での作業は村の許可を得た。
 八丁ダルミが通れるようになれば、9年ぶりに王滝口からの剣ケ峰への登頂が可能になる。池田会長は「御嶽山を皆で守る決意を示しながら『御嶽山は安全に登れますよ』と発信したい」と話していた。
 黒沢口から剣ケ峰への入山規制は1日に解除された。王滝口から王滝頂上までの規制解除は10日の予定で、いずれも10月11日まで。