2023.7.14 みすず野
みこしの担ぎ手に駆り出され、祭り法被に初めて袖を通した。会社勤めを言い訳にし、これまで地元の行事への参加経験がほとんどない。遅ればせながらの「地域デビュー」だった◆狭い路地に入ったり進行方向を幾度も換えたり。みこしは氏子町会をくまなく巡った。暑さで頭がくらくらするわ、足裏は痛いわ。体は正直つらいが、行く先々で奉納の酒やご祝儀を用意して待つ皆さんの元へ。使命感が気力の源だ。巡行経路にある小学校の子供たちがわっしょい、わっしょいの掛け声で励ましてくれた◆冷たい飲み物や漬物を振る舞う町会・企業の「接待」が、どれほどありがたかったか。担ぎ手の確保に腐心する総代会や青年部をはじめ―交通整理の若いお巡りさんも安協の人たちも―大勢に支えられた祭りへの熱をあらためて肌で知る思い。一方で、地元の神社へ向ける関心の薄れを嘆く声も聞いた◆伝統を絶やしたくないとか、地域の力を結集してとか―当方も書いてきた。実際に担う大変さはきっと筆舌に尽くし難い。できるだけ若い時に地域デビューができる環境づくりも肝要となろう。これも口で言うのはたやすいのだけれど。