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まつもと市民芸術館 3人の「監督団」を発表

主ホールの客席を背景に撮影に応じる(左から)倉田さん、木ノ下さん、石丸さん

 松本市は28日、まつもと市民芸術館(松本市深志3)の次期芸術監督を担う新たな「芸術監督団」(3人)を発表する記者会見を芸術館で開いた。「演劇部門」に古典演目の現代劇化を手がける木ノ下裕一さん(37)、「舞踏部門」に演出家、振り付け家、ダンサーの倉田翠さん(35)が選ばれた。その他の芸術分野を支えるゼネラルアートアドバイザーに、俳優で歌手の石丸幹二さん(57)が就く。

 3月に総監督を退任した串田和美さん(80)の後任として、来年4月に就任する。本年度は参与として芸術館に関わる。芸術監督団の団長を務める木ノ下さんは「『開いていく劇場』をテーマに、さまざまな分野で劇場文化の光をともしたい」と意気込みを語った。
 倉田さんは「ジャンルが異なる3人での就任は心強い」と話し、石丸さんは「これまでやっていないことにもチャレンジし、より松本市民に開かれた劇場を目指す」と話した。
 串田さんの後任を選ぶ市の検討委員会(青山織人委員長)は4月、演劇と舞踏の各部門1人と、その他の芸術活動を支えるアドバイザーの計3人からなる芸術監督団を提案し、候補者名を盛った答申書を臥雲義尚市長に提出していた。
 臥雲市長は会見で「次の世代に向けて発信のできる若く才能のある人材、さらに松本になじみのある人材の観点から就任していただくことになった」と述べた。
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 木ノ下さんは平成28(2016)年、主宰する木ノ下歌舞伎が芸術館で開いた「信州・まつもと大歌舞伎」の関連企画で上演した「勧進帳」で文化庁芸術祭新人賞を受賞した。
 倉田さんは舞台作品をつくる団体「akakilike(アカキライク)」を主宰。薬物依存回復施設の入所者やオフィスワーカーらと舞台芸術作品を制作している。
 石丸さんは東京芸術大在学中に劇団四季に入り、「オペラ座の怪人」でデビューした。芸術館では串田さんが構成・演出を手がけた舞台「空中キャバレー」に出演している。