政治・経済

無医村回避へ朝日村で協議会発足

村の医療体制について意見を出し合う委員ら

 朝日村の今後の医療体制を考える「医療の在り方協議会」が発足し、27日に村役場で初会合が開かれた。村内に唯一ある医療機関・三村医院(内科、小児科)が将来的に診療を終える方針で、無医村になる可能性があることから、村民ニーズを踏まえ今後の在り方を検討していく。医療体制に関する全世帯対象のアンケート調査も実施し、年度内には方向性を固める方針だ。

 会は、区や団体の代表者、保育園・小中学校の保護者ら18人で構成、小林弘幸村長が委員長を務める。初回は、村の医療の現状や無医村になった場合の影響を共有した。
 村住民福祉課の担当者は「地域のかかりつけ医の存在は、地域包括ケアシステムの推進に重要な役割を果たしている」と説明。子育て中の委員からは「子供に何かあった時、すぐ見てもらえる場所が近くにあると安心感につながる」との意見があった。別の委員からは無医村になることも想定し近隣医療機関へアクセスしやすい公共交通体制を考えていくべきとの声もあった。
 村は、令和3年度から村内外の医療従事者や識者を交えた検討会を重ねてきた。小林村長は「無医村にしてはいけないという強い思いがある。特に子供や高齢者の医療を守らなくてはいけない」と説明。開業医を新たに招くハードルの高さや無医村になった場合の影響の大きさを踏まえ、2期目の公約には、村立で診療所を用意し外部から医師を招く体制の実現を掲げている。「いろいろな意見を踏まえ、課題を共有し、村全体の医療体制をどうしていくか考えていきたい」と話している。

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