政治・経済

アルプス公園南入口一帯 展望施設・多目的空間に 市民会議が提言

展望広場と、未整備地(奥)。公園の「エントランスエリア」と捉えた空間デザインを提言した

 松本市がアルプス公園の将来像を検討するために設置した市民会議「アルプス公園魅力向上検討会議」(原薫座長)は26日、提言書を市に提出した。市がオートキャンプ場整備を計画して市民の賛否両論を呼んだ旧まきば山荘跡地の未整備地とその周辺一帯は、公園の「エントランスエリア」と位置づけ、総合案内などの機能を備えた展望施設や多目的スペースの整備を提言。「キャンプ」の文言は入れなかった。

 原座長と市川荘一座長代理が市役所を訪れ、臥雲義尚市長に渡した。臥雲市長は「極めて民意を反映した内容だ。展望広場(一部解体)、未整備地についてはできるだけ速やかに市の事業として方針をまとめ、議会に提案するプロセスに入りたい」と述べた。
 提言書では、多くの市民がアルプス公園に求めるものは「居心地が良く誰もが快適に過ごせるオープンスペースの空間」だと強調。未整備地を含む公園南側に関しては、開園から約50年がたち、家族が一緒に食事ができる日陰や、雨天時に使える施設が少ないなどの課題があるとした。
 その上で展望広場については、飲食スペースや総合案内、日よけ用具のレンタル機能などを備えた展望施設の再整備を提言。未整備地は芝生化して多目的スペースにし、北側のピクニック広場に通じる遊歩道を整備することを提案した。
 未整備地を巡っては、市がオートキャンプ場整備を令和4年度予算案で計画したが、市民の賛否両論などを受け、土壇場で白紙化した経緯がある。市民会議委員には賛否双方の立場の市民も名を連ね、昨秋からゼロベースで議論してきた。
 原座長は「感情的になり建設的な議論が難しい部分もあったが、真意をくみ取って合意形成を図った」と振り返った。宿泊を伴うキャンプは想定していないとした一方で「イベントでキャンプ的な要素を含んだ企画をすることに反対する形ではない」と述べた。