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犯罪被害者の遺族たちが自助グループ設立

会見する川上さん(左)と大塚さん

 犯罪や交通事故で大切な家族を亡くした人たちが、支え合って生きる力を取り戻したいと、犯罪被害者遺族自助グループ「つむぐ」を設立し、23日に県庁で会見した。認定NPO法人・長野犯罪被害者支援センターの支援で年4回の「語り合いの集い」を開き、同じ心境の遺族同士が、安心できる場所で自分の気持ちと向き合う。

 会見では薬物による暴走事故の被害に遭い長男を亡くした塩尻市宗賀の川上哲義さん(66)、世話人代表の大塚清美さん(62)=東御市=らが、自助グループの設立経過や役割などを説明した。
 川上さんら19人の被害者遺族は、県や市町村に犯罪被害者支援条例の制定や支援施策の充実を求める要望活動を行ってきた。県は昨年4月に条例を制定した。市町村でも機運が高まる中で、支援の充実には自助グループの存在が大きな役割を担うと考え、川上さんら4人が世話人になり「つむぐ」を設立した。
 「つむぐ」の名称には、遺族同士がつながることで少しずつ人生を紡いでいきたいとの思いを込めた。「心の奥底にある悲しみ、苦しみ、怒りなど遺族としては当たり前の感情を語り合うことで、人として生きていく力を取り戻す一歩になれば」としている。
 入会希望など問い合わせは、長野犯罪被害者支援センター(中信相談室/電話0263・73・0783、長野相談室/電話026・233・7830)へ。