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顔見える関係炊き出しで 松本・寿台1丁目町会が災害備え訓練

大鍋を並べて炊き出し訓練する住民やボランティア

 松本市の寿台1丁目町会は18日、同町会公民館前で炊き出し訓練をした。市営住宅寿団地の入居者が加盟する1丁目町会は高齢化が進み、一人暮らしの世帯も少なくない。災害に備えて防災意識を高め、顔の見える関係づくりにもつなげようと、40~50人分を炊き出した。

 住民のほか市社会福祉協議会、松本青年会議所、ボランティアの高校生も参加した。ハイゼックスと呼ばれる炊飯袋を使って、一食分ずつ小分けにした米を炊いたほか、肉や野菜を大鍋に入れて豚汁も作った。防災テントを立てるなど防災用品も点検し、岡義正町会長(72)は「いざという時にできない、使えないでは困る。やってみるというのは大事なこと」と話していた。
 昼食に合わせて味わい、外出が難しい高齢者らには届けた。
 同公民館で開催している「いきいき百歳体操」の仲間たちの提案で実現した。老朽化に伴い、市が寿団地の建て替えや再編を検討する中「今後が見えないことに不安を抱く住民もいる。訓練がここで暮らす人たちの安心にもつながれば」と岡町会長は話す。
 寿台地区生活支援員の水口みどりさん(57)は「手順や方法だけでなく互いの顔が見えることが大切。経験が地域づくりに生きれば」と話していた。