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猫駅長「もふ」2代目だニャン 筑北村のJR篠ノ井線冠着駅

右前足を失う大けがを乗り越え、“2代目猫駅長”と呼ばれて親しまれる黒猫の「もふ」

 かつて猫がすみつき"猫駅長"がいる駅として知られたJR篠ノ井線冠着駅(筑北村坂井)に、黒猫が姿を見せるようになった。推定4歳の雄「もふ」は右前足を失う大けがを乗り越え、地域猫として利用客や猫愛好家の心を和ませており、"2代目"と呼ばれ親しまれている。

 初代猫駅長の雄猫「ミィ」は令和元年冬に惜しまれつつ9歳で天国へ。2代目のもふはその年の夏に母猫ときょうだいの計3匹で姿を現した。体長約50センチで黒毛が長い。ほか2匹が野良猫らしく人とは若干の距離を置く中、もふは人懐こく、駅係員の大嶋由美子さん(57)=坂井=は去勢と予防接種を施し地域猫として関わった。
 もふが大けがをしたのは昨年3月。近くの山を散策中に狩猟用のわなにかかったとみられ、数日間姿を見せず、緊急入院した動物病院で右前足切断となった。しばらく歩行困難だったが、今は駅の窓口辺りへ軽々と飛び乗れるほどに回復した。
 冠着駅には今も初代猫駅長をしのんで訪れる人がいる。今春の大型連休中には「せめてお墓参りをしたい」と近くの安養寺まで足を運んだ外国人客がいた。17日に上田市から訪れた小池斉さん(59)は「猫駅長にはロマンがある。地元の別所線(上田電鉄)の駅にもいてほしいな」とほほ笑む。
 大嶋さんは「地域猫なので駅に常駐するわけではないが、今後も猫がいる―かもしれない冠着駅に親しみを持ってほしい」と願っている。