木曽氏、山村氏 墓に案内板 木曽町福島の興禅寺、長福寺 郷土築いた偉人顕彰

中世の木曽谷を治めた木曽氏と、江戸期の中山道・福島関所(木曽町)を守った尾張藩木曽代官・山村氏の墓碑が立つ、いずれも木曽町福島の興禅寺と長福寺に、墓所の案内板が設置された。17日にお披露目式があり、出席した関係者は両氏の事績が広く知られ、後世に語り継がれることを願った。
住民有志でつくる「木曽家、山村家を顕彰する会」が設置した。案内板は縦約90㌢、横1・8㍍で、墓所を示した図と解説文が載る。町教育委員会が監修した。墓碑が建つ人物の紹介を加えた、持ち帰り用のリーフレットも一緒に置いた。
木曽氏は両寺を創建しており、境内には室町~戦国期の一族や、木曽氏が祖先と称した平安末期の名将・木曽義仲の墓碑がある。
山村氏は、祖先が木曽氏に仕えた。財政再建や教育文化振興に力を尽くした9代・蘇門公が知られ、興禅寺にある山村氏の墓碑は高さ2㍍以上ある。お披露目式で町教育委員会の牛丸景太さんは「2㍍の墓碑は大名と同じ規模。権威の大きさが伺える」と解説した。
今年は蘇門公の没後200年に当たる。さまざまな関連事業が企画される節目と重なり、以前からあった木曽氏、山村氏の顕彰事業構想を形にした。案内板設置の発案者で顕彰する会事務局の加藤晋悟さん(68)は「地元でも詳しく知らない人が多い。両家のことを知り、地域の誇りと思ってもらえれば」と願う。会長の長福寺・上沼雅龍住職(61)は「今ある町をつくりあげてきた存在。地域の偉人を大切に守っていきたい」と話した。
事業費は170万円で、教育や観光への公益性から町が半額を負担した。