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100歳の木造貨車お披露目へ 上高地線・新村車両所で

現役時代のワ1木造貨物車(島田信夫さん撮影)

 松本市内を走る鉄道・アルピコ交通上高地線の新村車両所で倉庫として活用されている木造貨車・ワ1とワ2が7月で新造から100年を迎える。一昨年に『アルピコの車両百年史』を発行した神戸市長田区の桑原邦雄さん(71)の熱望により、7月2日に同車両所で記念の撮影・見学会が開かれることが決まった。普段は非公開の貨車内部が見学できるとあって、桑原さんは「全国的に見ても保存されている木造貨車は貴重。中をゆっくり見てみたい」と期待に胸を膨らませる。

 ワ1・ワ2は100年前の大正12(1923)年7月に新造され、昭和47(1972)年まで約半世紀にわたりリンゴやみそといった地元産品などを運んできた。その後は車輪など走行に必要な装置が外れ、新村車両所で保安資材の保管庫として現在まで活用されている。
 桑原さんは約50年前の大学時代に、アルピコ鉄道の前身である松本電気鉄道でアルバイトをしていた。当時の社員などから譲り受けた鉄道グッズを今でも大切に保存している生粋のアルピコファンだ。桑原さんは見学会の案内人を務め、保管していたワ1の図面も参加者特典としてプレゼントする。「貨車を見ながら鉄道好きの人と話をしたい」と開催日の到来を待ち望んでいる。
 見学会は午前9時45分からと11時30分からの2部制で定員は各部20人。現役時代のワ1・ワ2をけん引した大正15(1926)年製造の電気機関車ED301なども見学・撮影できる。参加費は4000円。申し込みはアルピコ長野トラベル松本営業所(電話0263・87・2240)で、23日まで受け付ける。

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