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TCアルプ出身者が新劇団結成 旗揚げ公演に向けて意気込み

公演に向け、稽古に励むメンバーたち

 松本市のまつもと市民芸術館を拠点に活動してきた劇団・TCアルプの元メンバー8人が新劇団「シアターランポン」を結成し、16日から初めての公演に臨む。メンバーの多くが県外出身ながら、松本での演劇活動に魅力を感じて再出発した。「己で創作して表現したい役者」がそろい、専門の演出家は置かずにアイデアを出し合い、自分たちのスタイルを模索していく。

 TCアルプを主宰する串田和美さんが3月で芸術館総監督を退任するに当たり一人一人が今後を考え、退団を選択するメンバーもいた。このうち武居卓さん(37)が、退団から数カ月たつ中で心落ち着く景色や新旧融合する住民が存在し、変化を続ける松本で演劇に取り組んでいきたいと決意。他の退団メンバーに呼び掛けて4月に新劇団を旗揚げした。
 活動は劇場などでの本公演と、学校や福祉施設などに赴くアウトリーチ(出張公演)を柱に据える。手始めに、気心知れた間柄で率直な意見を交わしながら大人も子供も楽しめるアウトリーチ作品を制作。16日からの公演は劇場でなく芸術館内のスタジオで5~20分程度の7本を披露する。チケットは完売しているが、出張公演を本年度中にスタートさせる。他に市民向けワークショップも計画していく。
 劇団名はランプをイメージ。「仲間が集う明かり、松本に起こした新たな火をともし続けたい」と思いを込めた。代表の武居さんは「地に足を着けた自分たちの表現で、まちに何か成果が出る活動をしていきたい」と意気込んでいる。