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塩尻警察署管内 交通事故過去10年で半減

 塩尻警察署管内(塩尻市、朝日村)の交通事故件数が過去10年間で半分以下に減少している。平成25(2013)年に305件だったが減少傾向が続いており、昨年は134件まで減った。負傷者も25年には399人いたが徐々に減り続け、昨年は158人だった。同署は、安全対策用の施設整備や交通安全教育の効果も出ているのではないかとみている。

 同署管内だけの取り組みではないが、県内では歩道へ車両の侵入を防ぐガードポールの設置や、通学路の危険箇所を改善するための点検活動、保育園や学校での交通安全教室、街頭啓発などを、地域一丸で地道に進めてきた。事故件数が減ってきている背景について、同署の柿澤弘充交通課長は「そうした効果に加え、ここ数年は新型コロナウイルス禍の影響で外出や飲食の機会が減ったこともあるのでは」と推察する。
 ただ、過去10年間で死者数は2~4人で推移。今年はすでに2人が亡くなった。昨年の人身交通事故のうち、高齢者に関係する事故が前年比15件減の51件となったが、事故全体の38%を占めていた。
 同署によると、今年4月以降は飲酒運転による事故が増えている。多くが単独で、他者を巻き込むような事故には至っていないが、飲酒運転は一歩間違えば重大事故につながりかねない。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが「5類」に移行し、経済活動も活発になりつつある。このほど開かれた塩尻市交通安全対策委員会で柿澤課長は「自粛されていた飲酒を伴う会合や会議も元に戻ってきている」と説明。委員会としても飲酒運転の根絶を目指していく方針を確認していた。

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