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林鉄乗れる!貸し切りで 上松・ふるさと納税返礼品 寄付額30万円で権利 赤沢のモーターカー

返礼品として貸し切りができるモーターカー(中央と右)。特に水色と白の車両は、表情が愛らしく、「冷蔵庫」という愛称で親しまれている(上松町観光協会提供)

 上松町のふるさと納税制度に今月、新たに体験型の返礼品が追加された。かつて木曽地域を走っていた木曽森林鉄道の保線作業で活躍し、今も赤沢自然休養林内で働いているモーターカーの貸し切り権で、寄付額30万円で手にすることができる。年間で4枠のみの受け付けだが、早速3日に1組から申し込みがあった。町と、森林鉄道の保全活用に関わる町観光協会は驚きながら、森林鉄道が秘める可能性に期待している。

 モーターカーは2台あり、どちらも製造から60~70年ほど経過している。木材運搬の近代的な輸送機関として全国で活躍した森林鉄道の保線目的で導入され、鉄道の走行には欠かせない存在だった。昭和50(1975)年に森林鉄道が廃止された後、保存運行が始まった赤沢自然休養林にやって来た。現在、一般客は乗ることができないものの、月1回の保線作業で出動する姿がSNS(交流サイト)で話題を呼んでいる。
 ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」で受け付けている。体験は月1回の頻度で、2台の車両から選んで乗車する。乗車定員は4人。寄付額の一部は、車両の保存や修繕に充てられる。
 町は「現状(のラインナップ)では最高額の返礼品なので、これだけ反応が早いのはびっくり。プレミア感に目を付けてくれたのかな」と話し、町観光協会は「森林鉄道の記憶と木の文化を受け継ぐ一助になれば」と話している。
 問い合わせは町企画財政課(電話0264・52・2001)へ。

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