政治・経済

松本市営葬祭センター 火葬炉増設へ

市葬祭センターの火葬炉。左の扉の奥に一つ増設する

 松本市は本年度、火葬場の市営葬祭センター(蟻ケ崎4)の火葬炉を増設する工事に着手する。人口の多い世代が亡くなる「多死社会」の到来を見据えた対応で、現在は五つの火葬炉で1日最大10件の火葬を実施しているが、新たに火葬炉一つを増やすことで、来年度以降は1日最大12件の火葬ができるようなる。

 葬祭センターは平成8(1996)年の全面改修で五つの火葬炉を新設したが、当時から多死社会を見据え、もう一つの火葬炉を増築するスペースを設けていた。今夏に増設工事を始め、来年4月から稼働できる状態にする。本年度一般会計予算に増設費7700万円を計上している。
 国立社会保障・人口問題研究所(東京都)の推計によると、国内で亡くなる人は15年後の令和20(2038)年にピークを迎える。松本市も全国と同じ傾向にあり、現状だと葬祭センターで対応できなくなる可能性がある。
 葬祭センターの火葬件数は令和2年度が2634件、3年度が2693件だったが、4年度は2944件と増えている。1日平均7、8件の火葬をしているが、年間の3分の1に当たる日が10件に達し、火葬業務のひっ迫が懸念される現状にある。
 市環境保全課は「葬祭センターを運営する指定管理者と連携した上で、亡くなった方の火葬に十分に対応できる施設を整えていきたい」と話している。