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美ケ原高原でのマナー徹底 美しの塔周辺の野営禁止へ

 松本市、上田市、小県郡長和町など美ケ原高原の関係者でつくる美ケ原自然環境保全協議会(会長・土田勝義信州大学名誉教授)は31日、現地の県美ケ原自然保護センターで利用ルールなどを協議した。高原のシンボル「美しの塔」周辺での野営、台上周辺の駐車場での車中泊をしないよう求める注意看板を設置することや、美しの塔での結婚記念の写真撮影(フォトウェディング)を認めることで合意した。自然環境の保全と利用のバランスを取った。

 美しの塔周辺での野営は法的に認められていないが、夏冬にキャンプを行う人がいるため、現地に禁止看板を立てる。台上周辺の駐車場では、雲海や星空の観賞で車中泊をする人が一定数いる。規制する法律はないが、目的外使用やマナー違反が問題だとして、車中泊の「遠慮」を求める注意書きにする方針だ。
 会議では、台上に既存の看板が乱立しデザインや管理実態が設置者によってばらばらだとして「可能な範囲で運用を統一し、適切な場所に適切な数を設置するための整理が必要ではないか」(松本市観光プロモーション課)との意見も出ていた。
 美しの塔でのフォトウェディングに関する相談は近年増加している。協議会は、10人程度で短時間の撮影であれば可能とする基準を定めた。撮影会社などが行うロケ撮影については繁忙期を除いて可能とするが、放牧期間中は牧場内での音響機材の使用を原則認めないことを申し合わせた。
 協議会は県が事務局を務め、ホテルや牧場、自然保護活動の関係者なども参加している。同日は約30人が参加し、シカの食害を防ぐ電気柵を拡張する作業なども行った。