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生坂の大座池でショウブ刈り取り

大座池に生えるショウブを刈り取るいくさか大好き隊のメンバーら

 生坂村下生坂重集落山中の大座池で31日、ショウブの刈り取り作業が行われた。村入浴宿泊施設・やまなみ荘の月遅れの端午の節句にちなむ「しょうぶ湯」を、地場産で楽しんでもらおうと10年以上前から続く取り組みだ。さまざまな伝説が残る「秘境」に自生する天然ショウブの葉を、2~4日(午前11時~午後8時半)に受け入れる入浴で使う。

 施設職員や村のいくさか大好き隊員ら7人が重集落北東部から約800㍍進み、標高約600㍍の山中のくぼ地にある池に訪れた。ひょうたん形の池のくびれた部分にある「浮島」に乗って、高さ約1・3㍍に成長したショウブ約700株を刈り取った。
 シュレーゲルアオガエルが生息する大座池は大城近くの大須沼池(大須ケ池、標高約730㍍)とともに、伝説の巨人・デイラボッチの足跡と伝わる。牛に似た穏やかな怪獣・赤牛伝説も残る。地元の藤澤長男さん(90)は「ショウブをかやぶき屋根に差したり柱に飾ったりして魔よけとした」と話す。
 やまなみ荘では、ショウブを網袋に詰めて湯船に浮かべ、浴室にも飾る。小坂部元支配人(52)は「今年は特に生育が良好。「秘境」に思いをはせながら入浴を楽しんでほしい」と話す。