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ポリテクセンター松本が就職率全国1位 63センター中 昨年度速報値95.3%

ポリテクセンター松本の就職相談室のある廊下。求人票がずらりと並んでいる

 ものづくり分野での再就職を希望する人を対象に職業訓練をしている、ポリテクセンター松本(松本市寿北7)の昨年度の就職率(速報値)が95・3%となり、全国63のポリテクセンターの中でトップとなった。松本地域の堅調な雇用情勢に加え、製造業が盛んな諏訪地域から求人が多く寄せられ、同センターが地元企業と長年連携を密にしていることなどが高就職率の要因のようだ。

 就職率の速報値は、令和4年4月から12月までに訓練を修了したコースを対象としている。107人が修了し、102人が就職した。コース別だと、CAD/NC技術科(コンピューターで設計するツール・CADでの機械図面作成)が97%、金属加工科(溶接と板金技術)が90・9%、電気設備技術科(電気工事の基本技能・知識)が94・9%、CADものづくりサポート科(CADでの図面編集、製造業の生産・品質管理業務)が100%だった。
 松本センターの最近の就職率は、令和元年度82・7%、2年度80・8%、3年度90・7%で、全国と比べて平均的な数値だった。4年度が全国トップになった理由について、住吉哲一郎訓練課長(45)は「有効求人倍率が高い地域は他にもあり、本当のところ分からない」としつつ、就職支援の担当者2人が10年以上、地元企業を訪問して連絡を取り合うなど「密な関係を築きあげている点も影響しているかもしれない」とみる。
 修了生を昨年1月に採用したプラスチック部品の製作・加工のワークヤマト(安曇野市豊科高家)の鳥羽忠社長(50)は「機械について一通り学んできているので、すぐに仕事ができ助かっている」と修了生に信頼を置いている。