世界柔道優勝の出口クリスタ選手凱旋 母校・松商や塩尻市役所訪問

世界柔道選手権大会女子57㌔級を制した、塩尻市出身の出口クリスタ選手(27)=日本生命、カナダ代表=が24日、母校の松商学園高校(松本市)と塩尻市役所を訪問した。再び世界の頂点に立った喜びを報告すると同時に、出場権争いが続く来夏のパリ五輪に向けて決意を新たにした。
世界柔道は7~14日にカタールのドーハであった。クリスタ選手は4年ぶり2回目の世界女王となった。
在校時の恩師らの出迎えを受けた母校で、精進を重ねた道場を訪れたクリスタ選手。県高校総合体育大会を来月に控える柔道部の後輩に「目標を持って練習することに意味がある。可能性は無限大」と呼び掛けた。優勝を祝う花束を手渡した伊藤鈴主将(3年)は「積み重ねてきたものがあってこその金メダル」と、先輩の言葉をかみしめていた。
同大会52㌔級に出場した妹の出口ケリー選手(24)=日本生命、カナダ代表=も共に訪れた。初戦は飾ったが続く試合で敗れた。それでも、結果に対するいい意味での欲が深まったという変化を前向きに解釈したケリー選手。「夢でなく目標になった」とする五輪出場を確実なものにするべく、ポイントを積み重ねる決意を語った。
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出口クリスタ選手は、出身地の塩尻市の百瀬敬市長を表敬訪問した。優勝を報告し、「カナダ代表ではあるが、長野・塩尻代表としてこれからも頑張っていきたい」と語った。
出口選手は「来年のパリ五輪の代表選考に向け、大きな一歩を踏み出せたのではないか。優勝できて良かった」と話し、応援に感謝した。最後まで諦めず自分を信じるぶれない心で金メダルをつかみ、現地を訪れた祖母に見せられた喜びも語った。
百瀬市長は「多くの市民や国民が感動し元気や勇気を得た」とたたえ、五輪出場と活躍に期待した。出身校の丘中学校、地元の柔道場・誠心館道場の村山良治師範ら関係者も同席した。