ワイン造りと会社勤め両立目指す人を支援 エプソン関連会社が塩尻で
セイコーエプソンのグループ企業・エプソンアヴァシス(本社・上田市、武井喬社長)は8月に、ワイン造りに関わりながら地域の企業などで働く「新しい地方暮らし」が可能かどうか検証する社会実験を、塩尻市内で始める。ワイン醸造やブドウ栽培などに憧れる都市圏の人などを対象とする。参加者は半年間、市内のワイナリーで仕事を体験する。同社は、別の収入源となる副業や住む場所の確保を一括してサポートする。
同社は松本市内にも事業所があるソフトウエア開発の企業で、塩尻産ワインを味わうイベントに協力、連携している。社会実験は、塩尻市在住で同社データ&リサーチグループのマネジャーを務める依田剛さん(37)が提案した。
実験の参加者として4人を募る。実験中の半年間は、市内に住んだり、都市部と市内の2拠点で生活したりしながら、市内にあるワイナリーのブドウ畑で週1日程度、仕事(収穫、ほ場整備など)を体験する。これとは別に、週1日ほど地域企業である同社の業務に従事し、報酬を得る。住居としてはシェアハウスなどを提案する。
今回の社会実験は、地方での新しいライフスタイルの創造が目的だ。ワイン造りをきっかけとして、都市生活者と地元の人が交流し、刺激し合うような豊かな地域社会も目指す。
ただ、信州に移住してワイン醸造やブドウ栽培をしたいと憧れる人がいても、ゼロから始めるには土地の確保や技術、資金が必要で、夢の実現にはハードルが高い。同社は、2拠点生活をしたり他の仕事をしたりしながら「少しずつワイン造りに関わりたい」と考える人も少なくないと考え、生活基盤(収入源と住居)の確保を支援し、ワイン造りを経験できる社会実験に取り組むことにした。
依田さんは「地方暮らしの未来を一緒に切り拓いてみませんか」と話す。実験の説明会を6月1日と7日にオンラインなどで開催する。