松本市立病院 分娩継続へ 医師確保の見通しつく

産婦人科の分娩(お産)機能の見直しが検討されてきた松本市立病院(波田)について、市病院局は24日の市議会厚生委員協議会で今後も分娩を継続していく方針を示し、了承された。産婦人科医師の確保のめどがついたことなどが理由で、建設計画が進む新市立病院でも継続することになる。同病院は今後、産婦人科の設備改善や食事メニューの工夫などを図って分娩数を増やすことや、中断している新病院の基本設計の再開を目指す。
病院局側は、最大の課題としていた医師の確保の見通しがついたことが継続の要因になったと説明した。中村雅彦院長は「信州大学病院などから、可能な範囲で支援を続けてもらえることになった」と話した。同病院の産婦人科には現在、4人(1人は非常勤)の医師が在籍している。目標とする年300件の分娩を可能とする医師数が当面確保できるという。
4~5月に同病院でお産をした人や市民を対象に実施したアンケートでは、回答者492人の8割強の404人が「松本西部地域でお産を継続してほしい」と回答した。3月には分娩継続と産科維持を求める900人分の要望書も地元住民から寄せられていた。これらの声を受けて方向性を決めた。
令和8年度の開業を目指している新病院は、分娩機能の見直しが浮上したため現在、基本設計を中断している。近く開かれる市議会病院建設特別委員会に基本設計の再開を求めるが、中断期間が長期化したため、開業時期が遅れる可能性がある。