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オオルリシジミ勘違い! 雌の模型に本物の雄が飛来

雌の模型(下)に飛来するオオルリシジミの雄(長谷川実優さん撮影)

 模型にまんまとだまされた―。安曇野市三郷明盛の会社員・長谷川文人さん(49)が作った市天然記念物のチョウ・オオルリシジミの模型(雌)に、本物の雄が飛来する様子がこのほど安曇野市で観察された。自前の3Dプリンター(立体印刷機)でキット化した原寸大模型で、長谷川さんは「本物に認めてもらえた」と喜ぶ。

 三郷昆虫クラブが国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区で行った観察会で確認された。オオルリシジミ保護対策会議の那須野雅好代表が見守る中、幼虫の食草・クララに模型を置いたところ雄が飛来した。本物ではないと分かると飛び去って行ったという。一連の様子を長谷川さんの次女で同クラブ員の三郷中学校3年生・実優さんが撮影した。
 同クラブの世話人でもある那須野さんによると、オオルリシジミは視覚的に相手を見分けている。那須野さんは「長谷川さんの模型はあまりにもリアルなので人もチョウもだまされる」と笑う。実優さんは「撮ったときは興奮がすごかった。偽物でもだまされることが面白くて、何で偽物だと判断したのかも調べたい」と語る。
 模型の製作キットは教育現場などでの活用を模索している。長谷川さんは「模型とこのエピソードでさまざまな人に興味を持ってもらい、環境保全や市PRのために力になれたら」と展望する。