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地域の"茶飲み場"復活 塩尻・野村八常会の「えんがわ亭」

来場者の制限をなくし、日常が戻りつつある「えんがわ亭」

 塩尻市広丘野村の野村八常会が自主的に開く「えんがわ亭」は本年度から、新型コロナウイルス禍前の運営に切り替えた。月2回、常会の集会所に集まり、コーヒーやお茶を飲みながら交流する喫茶企画で、コロナの影響で3年ほどは出席者を限ったり休んだりしていた。周辺地区や遠方からの来訪者も受け入れ始め、ようやく日常が戻りつつある。

 えんがわ亭は平成26(2014)年6月に始まり、毎月第2、4木曜日の午後2~4時に開く。地域の絆を深め、1人暮らしの高齢者の孤立を防ぐ役割も果たしてきた。1回300円で誰でも参加できる。集会所は民家のような雰囲気でほっとできる。室内にはテーブルや椅子が置かれ、「えんがわ亭」と書かれたのれんもある。
 このほど開かれた162回目には12人が集まり、飲み物や茶菓子を味わい、談笑した。特に行事や講座などはなく、住民のスタッフも当番制ではなく、時間が空いた人が来る。こうした気軽さが長く続く秘けつという。吉田地区から参加した女性は「話すことが好きなのでいいなあ」と笑顔で話した。
 過去には地元から渡米した女性が夫を連れて来場したり、赤ちゃん連れの若者が訪れたりしたことも。冬には近くの障害者就労支援施設が作る焼き芋を購入、堪能している。世話人の前内陽さん(78)は「以前は(事業所の)利用者さんも来てくれていた。交流が復活すれば」と願っている。