奈良井川でアユ釣り復活へ 漁協が2年ぶりに放流

奈良井川漁業協同組合(塩尻市宗賀)は22日、2年ぶりに奈良井川へアユを放流した。7月15日に解禁され、夏の風物詩である友釣りが奈良井川で復活する。豪雨の影響などで川が荒れ、昨年は奈良井川での放流を見送り、鎖川のみに稚アユを放った。ただ、鎖川で水生昆虫が大発生し、アユの餌であるコケを食べてしまい、ほとんど釣果がなかった。川の状況は万全とは言えないが今季は奈良井川の方がベターだと判断した。
22日は奈良井川の梨ノ木橋(塩尻市)の上下流に、計100㌔の稚アユを漁協役員らが放流した。体長12~13㌢の稚アユは浅い場所に集まっていたが少しずつ離れ、深く急な流れへと泳いでいった。
奈良井川では一昨年の豪雨災害や復旧工事などの影響で環境が激変した。放流してもアユが定着しにくいと判断し、昨年は放流しなかった。川の状態はベストではないが、今年は影響の少ない同橋付近を選んで放った。
他方で鎖川には今年は放流しない。漁協によると、鎖川では昨年、水生昆虫のヤマトビケラが異常発生。アユの成魚は水中の石に着いたコケを食べるがヤマトビケラがこのコケを食べてしまい釣りにならなかった。今年も影響が考えられるという。
これに対し、奈良井川では今春、県水産試験場が調査したところ、ヤマトビケラはほんのわずかしか確認されなかった。大沼田志津男組合長は「元々鎖川は川の水が冷たく、アユが育ちにくいこともある。河川状況を考慮し、釣りになりそうな奈良井川だけに放流することにした」と説明する。
漁協がアユの友釣り用のおとりアユを販売するオトリセンターは昨年に続き営業を休止。おとりアユはひっかけなどの手法で釣り人が確保する。アユの釣り券は釣具店やコンビニで扱う。