松本城で火縄銃の古流演武

戦国時代に伝来した火縄銃の砲術を実演する「松本藩古流砲術演武」が21日、国宝松本城二の丸御殿跡で開かれた。松本藩の古式砲術を伝承する市民有志の松本城鉄砲隊が、甲冑姿で大小さまざまな火縄銃の撃ち方を披露し、多くの観客を楽しませた。
鉄砲隊の男女13人が空砲で演武を披露した。1発目のごう音が響き、白煙が舞い上がると会場から「おお!」と驚きの声が上がった。織田信長と徳川家康の連合軍が武田勝頼を破った長篠の戦いで用いられた「三段撃ち」の技法などが披露され、訪れた人たちは戦国時代に思いをはせていた。
演武は毎年春と秋に開催してきたが、新型コロナの影響で令和2年が春秋ともに中止、3年は春が中止となった。昨年から通常開催に戻り、今年秋の演武は10月15日に開く。
鉄砲隊の西堀恒司隊長(74)=松本市沢村1=は「大河ドラマに、松本城を築城した石川数正が登場したことで松本城への関心が高まっている」と話し、「松本城は鉄砲戦を想定して造られたということを多くの人に知ってもらう機会になると思う」と期待していた。