教育・子育て

「全校種目復活」「分散開催か継続」 運動会の新たな形を小学校模索

復活した種目・騎馬戦の練習をする児童たち(開明小学校)

 中信地域の小学校で春の運動会の練習が行われている。新型コロナウイルスが感染症法上の5類に引き下げられたことを受け、全校種目や応援を復活させ、保護者の参観を制限しないなどコロナ禍前の形に戻す動きがある。一方で、感染抑制以外の利点もあると考え、分散開催などを継続する学校もあり、各校が新たな形を探っている。運動会は5月下旬~6月に行われ、今年は子供のにぎやかな声が響きそうだ。

 来月3日に開催予定の開明小(松本市)は19日、5年生83人が久しぶりに種目に入った騎馬戦の練習をした。赤白・男女ごとに手や肩を組んで騎馬をつくり、元気よく臨んだ。赤組男子の大将・後藤駿介君(11)は「グループで戦うのは久しぶりだからわくわくする」と喜び、学年主任・松澤紗綾子教諭は「声を掛け合い、仲間と作戦を考える楽しさを感じてほしい」と期待する。
 開催は低・高学年に分け、種目数も増やさない。同校は「元に戻す部分もある一方で、猛暑や児童の体力に配慮してより良い形をつくりたい」とする。堀金小(安曇野市)も昨年度同様、2学年ずつ分散開催する。小平伴紀校長は「準備時間が短縮され、子供の負担が減った。保護者も広い空間で見られる」と説明する。
 全校種目や地域住民の参加は増えつつある。開校150周年記念行事として開く塩尻東小(塩尻市)は、全校の大玉送りや園児の旗拾いなどを予定する。櫻井武教頭は「皆で節目を祝おうと全校練習に意欲的に励んでいる」と話す。麻績小(麻績村)は児童と村民参加の「番場節」の踊りを復活させ、地域を挙げて行事を盛り上げる。
 コロナ禍の制約が薄れたことを踏まえ、児童の声を反映させる動きも出てきた。中山小(松本市)は全校種目を5、6年生の実行委員会が計画し、南木曽小(南木曽町)は児童の希望で赤白対抗戦を復活させる。保護者や住民の参観も自由になりつつある。上松小(上松町)の中山亮教頭は「子供は保護者や地域の人に見てもらえるのが励み」と話している。