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百草丸の木 無事育って 木祖小5年生 キハダ植樹 日野製薬企画

キハダの植樹を終え「ちゃんと植わっているかな」と確認する児童

 木祖村の木祖小学校5年生が16日、木曽地方に古くから伝わる胃腸薬・百草丸の主原料となるキハダを学校近くの山林に植樹した。原料として使えるようになるには25年ほどかかることを教わった児童20人は「将来の薬づくりと住民の健康のために無事に育ってほしい」との願いを込めた。

 地元の日野製薬(石黒和佳子社長)による3年目の企画。国内産のキハダの入手が年々難しくなっていることを背景に、令和3年から住民らと植樹を進めている。昨年から子供にも参加を呼び掛け、今年は村の多世代交流事業「もいちど小中学校」に参加する住民らも加わった。
 つるはしで穴を掘り、高さ1㍍ほどの苗木を一人2本ずつ植えた。精力的に作業を進めた青木駿君(10)は「疲れて腰も痛いけれど、キハダはいろいろな人の役に立つ。植えておいたほうがいい」と笑顔で額の汗を拭っていた。石黒社長は「村の宝物を未来につなげるきっかけになれば」と話していた。