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山田洋次監督が脚本の児童劇映画「蜂の子」 松本で保管のフィルムで28日に上映会

教文センターでフィルムが確認された「蜂の子」

 映画界の巨匠・山田洋次監督が脚本を手掛け、旧片丘村北内田(現松本市内田)で撮影された児童劇映画「蜂の子」(昭和32年)が28日午後2時から、松本市のMウイングで上映される。令和元年に松本市内田の民家で脚本が見つかり、翌年に市教育文化センターでフィルムが確認されて以降、市内で公の上映会が企画されるのは初めて。戦後間もない時代の郷土が映る貴重な資料として、上映を望む声が上がっていた。

 27、28日に同館で開く第23回松本手まり時計まつり(実行委員会主催)の一環で、教文センターが保管する16㍉フィルムを映写機で投影する。定員は先着30人。好評であれば秋に再上映を検討する。
 作品は母親と死別し信州の親戚に預けられた都会の少女と田舎の少年の交流を描く物語で、東映が製作した。自宅がロケに使用された松本市内田の森山良一さん宅で脚本が見つかり、報道に接した教文センター職員が松塩筑学校フィルムライブラリーに保管されていたフィルムを確認。興行用映画と異なり劇場公開されておらず、上映を望む声が上がっていた。
 森山さんの親類らが上映機会を模索し、コロナ禍を経て3年越しでめどが立った。関係者は「環境が整えば他でも上映できる。まずは、まつりの反響を見たい」と期待している。
 上映は28日午後2時から。27日午前11時半と午後2時には地域映画「まつもと日和」も上映される。問い合わせは中央公民館(電話0263・32・1132)へ。