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歌手76年目 初のCD作成中 安曇野穂高の長瀬博さん テノール高らか

安曇野市内でCDの収録に臨む長瀬さん

 今年92歳を迎えた安曇野市穂高の声楽家・長瀬博さんが、歌手活動76年目にして、初めてのCDを制作している。現在の歌声だけでなく、発声のポイントや歌唱のこだわりも解説として収録する予定で、長瀬さんの集大成となりそうだ。

 CDは4部構成で、1部には85~90歳のコンサートの音源、4部には現在の歌声を収録する。2部と3部は聴いている人も参加できるようにし、2部は子供向けの童謡、3部は歌唱のこだわりの解説の中に発声練習を盛り込む。
 16歳でイタリア伝統の「ベルカント唱法」を学び始め、以来歌声に磨きをかけてきた長瀬さん。幼いころに野山で遊んだ経験から、水流の音や動物の鳴き声などに学ぶことが多く、自然の音を聞くと即興でメロディーが生まれるという。声量を保つために呼吸法を大切にし、音楽でつながった仲間「楽友」からは「不滅のテノール」とたたえられる。
 CDは6月に完成予定で、長瀬さんの楽友らに配る。CD制作に合わせ、動画投稿サイト・ユーチューブでもコンサートの動画を載せている。長瀬さんは「92歳でこの声量と音色、響きがある歌手は世界でもいないと思う。歌い続けてきた成果を皆さんに聞いてほしい」と話している。