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塩尻出身の出口クリスタ 世界柔道で4年ぶり優勝

 世界柔道選手権大会第3日の9日、カタールのドーハで男女2階級があった。女子57㌔級はカナダ代表の出口クリスタ=日本生命、塩尻市出身=が優勝。同大会での金メダル獲得は4年ぶり2回目となる。
 出口は2回戦から登場し、パリ五輪代表の座を争うジェシカ・クリムカイト(カナダ)を退けて勝ち上がったモンゴルの選手と戦った準決勝を合わせ技一本で制して決勝に進出。舟久保遥香(三井住友海上火災保険)との対戦では、大内刈りで技ありを奪って優位に立つと、体落としで一本勝ちを収めた。
 全5試合を戦ってオール一本勝ちの貫禄を見せた出口。世界女王の座に返り咲いた。

 松商学園高校出身でカナダ代表の出口クリスタ選手が、世界柔道で表彰台の最も高い位置に立った。悲願の五輪出場に向けて第一の関門を突破したとも言え、腕を磨いた地元では関係者が喜びに包まれた。
 映像で見る表情や動きの良さに重圧を乗り越えた感じを抱いたという、誠心館道場(塩尻市)の村山洸介館長は「この大会は自信になっただろう」。大舞台で、実力者ぞろいの階級でも随一だとみる地力を発揮し切った門下生の戦いぶりを祝福した。
 同じ畳で稽古する松商柔道部の伊藤鈴主将(3年)は「最後まで勝ちにこだわる姿勢をまねたい」と言い、我妻結凪さん(2年)は「勝ちに対する気持ちを強く感じた」。世界女王に返り咲いたOGの姿に、迫る中信総合体育大会に向けて刺激を受けた様子だった。
 同部の手塚裕司監督は、持ち前の力強さに加えて足技がさえて前に出る柔道ができたと目を細め、「次へのステップになったのでは」と教え子の勇姿に太鼓判を押した。同国の五輪代表争いは続く中、村山館長は「力を出し切って柔道を楽しんでもらえたら」とエールを送った。

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