地域の話題

堀金中で部活地域移行 安曇野市モデル事業に 休日は住民ら指導

堀金中の女子ソフトテニス部。土曜はスポネット常念所属の地域スポーツクラブとして活動している

 安曇野市の堀金中学校で本年度、教員の働き方改革のために休日の部活動を地域住民らが指導する「部活動の地域移行」が、運動部で本格的に始まった。同校と堀金地域は、国が推進する公立中学校の部活動地域移行について、安曇野市のモデル事業となっている。休日は地域の主体組織に所属する「地域スポーツクラブ」として活動し、ほぼ全ての運動部が地域住民らから指導を受けている。

 堀金中では従来、各運動部に外部指導者として住民が入っていた。学校規模としても中程度で部活動数が限定され、安曇野総合型地域スポーツクラブ・スポネット常念の事務局が堀金地域にあって連携が取りやすいことから、市教育委員会は同地域をモデルとした。
 地域移行の準備は令和3年度から始まった。まず学校と市教委、地域指導者を交えて運営委員会を開催。同年9月から月1回、運動部の休日の部活動を試験的に地域に移行した。合わせて生徒や保護者にも学校から説明を行い、4年度は月2回、本年度は毎週と段階的に移行を進めてきた。
 休日の活動はスポネット常念やスポーツ少年団、各種目の協会などの主体組織に所属する「地域スポーツクラブ活動」として行い、現在は学校部活と地域スポーツクラブが併存している形だ。部によっては顧問がその競技の専門ではないこともあり、女子ソフトテニス部の三枝佑実香部長=3年=は「専門的な指導が受けられるし、平日とメリハリがついていい」と話す。
 安曇野市では現在、指導者減や選手減の影響で、陸上と野球は全市的な中学生のクラブとして活動している。専門知識がある教員は兼職兼務申請をして、地域住民として休日の部活動を指導。豊科地域では豊科北中と豊科南中の生徒が集まるサッカークラブが始動するなど、学校の垣根を越えた地域スポーツクラブが浸透しつつある。
 生徒数の減少は、各校の教員数の減少にもつながる。堀金中の堀金猛校長は「働き方改革はもちろん、子供たちがやりたい部活をできないことが一番あってはならない。人が代わっても運営できるようにしないといけない」と力を込めている。