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本物そっくり!オオルリシジミの模型 三郷の長谷川文人さん開発

本物そっくりなオオルリシジミの模型

 安曇野市三郷明盛の会社員・長谷川文人さん(49)が、絶滅危惧種で市天然記念物のチョウ・オオルリシジミの原寸大模型の製作キット(非売品)を開発した。次女と一緒に三郷昆虫クラブで活動しており、同クラブ世話人の那須野雅好さんが協力した。オオルリシジミの普及・啓発につなげるため、同クラブは学校教育や社会教育の現場で活用することを構想している。

 キットは、頭、胸・腹、上翅、下翅、展示台などのパーツで構成される。頭、胸・腹は3次元データに基づいた立体造形ができる3Dプリンター(立体印刷機)で作った。紫外線で固まるレジンでできている。羽は標本写真のカラー印刷。
 組み立て説明書は玩具メーカー製と見間違えるほど本格的な仕様で、模型を置く台紙に幼虫の食草・クララの写真を使うなど細部もこだわっている。
 長谷川さんは、一昨年に同クラブの昆虫展でアゲハチョウやオオムラサキの原寸大模型を作って展示した。昨年はオオルリシジミが市天然記念物に指定され、那須野さんから相談を受けて記念シンポジウム用にオオルリシジミの模型を30~40個作った。来場者の評判が良く、教育現場で使えないか―と考えてキットにした。
 那須野さんは「オオルリシジミは天然記念物なので触ることができない。触れないと興味・関心は深まらないので、何とかしたいと相談したら作ってくれた」と感謝する。
 同クラブは、キットを教育現場で活用する第一歩として、三郷公民館でこのほど模型作りをした。クラブ員の三郷小学校6年生・吉田晴史君は「大変だったけれど、うまくできてよかった」と笑顔を見せていた。長谷川さんは「難しいと思っていたが、みんなすごく上手に作っていた」と子供たちの様子に手応えを深めていた。