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朝日産ビーツが味の決め手 ボルシチをレトルト商品に

試作品を作るプロジェクトのメンバーたち

 朝日村の有志らでつくるプロジェクトが、村産ビーツを使ったボルシチのレトルト商品化に向け、試作を進めている。ボルシチはウクライナの郷土料理。ロシアによる軍事侵攻で戦禍が広がるウクライナを支援しようと、昨秋村内で初開催された「ボルシチまつり」をきっかけに商品化が具体的に持ち上がった。ウクライナの人々と村との交流を発信し、ウクライナの人も味に太鼓判を押す村産ビーツをPRする新たな特産品に育てる計画だ。

 プロジェクトは3月下旬に始動し、ビーツ生産者、村内飲食店、村商工会女性部員、事務局の村観光協会職員ら15人が参加。レトルト開発のノウハウを持つ百貨店・井上(松本市)がアドバイザーを務め、美勢商事(塩尻市)が製造を担う。
 初回の試食会がこのほど村中央公民館で開かれ、手作りの5種と市販のレトルト品1種の計6種を食べ比べた。
 うち1種は、ウクライナから名古屋市へ避難した人たちが、まつりで手作りした現地のレシピ。女性部が再現し、味は好評だった。他に、ボルシチ用の市販液体調味料を使った品やリトアニア産ボルシチのもとを生かした品などを用意し、味の方向性を検討した。
 7日には2回目の試食会がある。ビーツの調理方法、具材の切り方、使う肉の種類などを見直し、試作品数種を用意する予定だ。
 今後、名古屋市にいるウクライナ人にも試食してもらう。今秋に予定されるボルシチまつりに合わせたお披露目を構想する。
 プロジェクトの上條典泰代表は「ウクライナの人にも認めてもらえ、日本人も食べやすいボルシチができれば。資金工面やPR方法にも知恵を絞っていきたい」と話している。