地域の話題

郷土資料「さわ文庫」自宅に 薮原の澤頭修自さん 1000冊 中山道沿い 書斎、車庫利用

車庫の前には、澤頭さんの隣に住む武居一志さんが作った手製の看板が設置された

 木祖村薮原在住の郷土史家・澤頭修自さん(90)が、自宅の書斎と車庫を生かした「さわ文庫」を開設した。所有する約1000冊の書籍や膨大なファイリング資料が並ぶ。JR薮原駅を薮原宿に向かって100㍍ほどの街道筋にあり、「地域住民にとどまらず、旅人にも利用してほしい」と願っている。

 澤頭さんは、小学校の教諭として木曽郡内各地で教べんをとりながら、各地の文化や民俗に愛着と探求の目を向けてきた。退職後は、木祖村誌編さん室長として10年の歳月をかけた編集のかじを取り、NPO法人木曽川・水の始発駅の理事、木曽町文化財審議委員なども務めた。著書に『御嶽の見える村』『写真集・わがふるさと』などがある。
 地域資源を活用した発信活動の〝根幹〟をなす膨大な資料が並ぶ。分野は林業から文化財、祭り、動植物などと幅広く、新聞記事のスクラップもある。開田東小学校(現木曽町)赴任時に親交が生まれた児童文学者・庄野英二や、妻籠小(現南木曽町)赴任時に出会った英文学者・菊池重三郎の著書も並ぶ。
 おおむね「晴れた日の朝から夕方まで」の間にガレージを開けている。澤頭さんは「長年かけて集めた書籍などを独り占めしてしまうのはもったいない」と笑い「誰でも自由に立ち寄って、読み終わったら返してくれればいい」と話している。
 問い合わせは澤頭さん(電話0264・36・2460)へ。