連載・特集

2023.5.6みすず野

 きょうは二十四節気の立夏。七十二候だと「蛙始鳴」。カエルが鳴き始めるころとされる。なるほど、代かきが済んだ田んぼから、夜になるとカエルの大合唱が聞こえる。秋から冬、春の初めまで息をひそめるようにしていた大地が、静かに動き出すようだ◆田起こしや代かきをしていると、無理やり起こされたカエルが、慌てて逃げ出すようにトラクターの前を横切る。巻き込みたくないから、急ハンドルでよけるが、犠牲になるカエルもいる。懸命にあぜを上っていた左前足がないアマガエルも見た◆代かきを始めると、ムクドリやセキレイがやってきて、餌を見つけてついばむ。作業のパートナーのようで楽しいが近年はカラスも加わるようになった。田に水が張られると、カルガモがつがいで飛来する◆兼業農家は、大型連休が農作業の勝負どころ。あちこちの田畑で汗を流す姿が見られる。年を重ねると体にかかる負担は確かに重くなるが、作業の面白さ、楽しさのようなものが、土の間からなんとなく伝わってくるようだ。雨を心配して空をにらみながら、予定のところまで終わらせよう。連休は残り2日。さあ、もうひと頑張り。