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上高地線の奈良井川橋梁 補修工事進む

河床の補強が進む奈良井川橋梁

 松本市内を走るアルピコ交通の鉄道・上高地線で、渚―信濃荒井間にある奈良井川橋梁の補修工事が進んでいる。令和3年夏の豪雨で橋脚周りの河床が削られたため、ネットに入れた石を積んで脚元を固めている。5月末には完了する予定だ。

 奈良井川橋梁は上高地線が開業した大正10(1921)年に建設された同線で最も古い設備の一つで、大規模な補強工事は今回が初めてとなる。専門家からは、運行に支障はないものの、今後長期的に橋を維持するためには対策が必要との提言を受けていた。6本ある橋脚のうち、東側の4本の工事は終わり、現在は残る2本を補強している。工事の総事業費は約1億円で、市、県と国の補助を受けて進めている。
 一昨年夏の豪雨に関連した復旧事業は今回ですべて終了する。アルピコ交通鉄道事業部は「多くの方の協力で進めることができた。これからも長く上高地線を維持していきたい」としている。