政治・経済

GW入り込み回復の兆し 中信地方、宿泊施設の予約堅調

入場待ちの列が伸びる、コロナ禍前(平成31年4月)のGWの松本城

 中信地区の宿泊施設は大型連休のゴールデンウイーク(GW、4月29日~5月7日)の期間、予約が堅調となっている。入り込みが昨年のGWから大幅に増えて、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に回復するとみる観光関係者も多い。

 今年は後半が5連休となる人が多そうで平日の1日と2日を休日にすると最大で9連休になる。高速バス新宿線などの予約状況をみると、4月29日、5月3日に人の動きが特に活発になりそうだ。
 六つの宿泊施設を運営するアルピコホテルズでは、美ケ原温泉翔峰(松本市里山辺)が期間を通じてほぼ満室、ホテルブエナビスタ(同市本庄1)も残室がわずかだ。国内旅行者の予約は昨年から大きな変化がないものの、インバウンド(外国人訪日旅行)はこの期間も堅調で全体では予約が伸びている。
 松本城は昨年、天守への入場待ち時間が最大2時間10分だった。松本城管理課は今年はそれ以上の来場を見込む。待ち時間を短くする方策を検討中で、情報発信もこまめに行っていく。同課は「街中を巡りながら待ち時間が短いタイミングを狙ってほしい」とする。
 郊外では、キャンプ人気が継続しており、高ソメキャンプ場(同市奈川)は約100区画のサイトが期間を通じてほぼ予約で埋まる。乗鞍高原の宿泊施設も予約が多い。ただ、のりくら観光協会の宮下了一会長は、ここ数年はコロナに加え、ロシアのウクライナ侵攻や物価高などの逆風が続いたため、「また何か起きるかもという不安がある。とにかくGWを迎えたい」と願う。
 大手旅行会社・JTBの調査では、国内旅行者数(推計)は前年比53・1%増の2450万人でコロナ禍前とほぼ同等に回復するとしている。旅行先は、昨年は新幹線や飛行機を使った遠方への旅行意欲が強かったのに対し、今年は物価高の影響で中近距離の場所を選ぶ傾向があるという。