春を告げる鳥居火 松本市島内の伝統行事2年ぶりに

松本平に春の訪れを告げる松本市島内の伝統行事「鳥居火」(市重要無形民俗文化財)が14日夜、アルプス公園南側の鳥居山で執り行われた。地元3町会(町、東方、北方)から大宮・武宮両神社の氏子32人が参加し、山の西側斜面でたいまつを燃やして鳥居の形を浮かび上がらせ、五穀豊穣や家内安全を願った。
昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止したため、令和3年以来2年ぶりの開催となった。今年も影響は残り、例年は3夜連続で執り行うが14日夜のみとした。
午後8時になると斜面にたいまつの明かりが見え、しばらくするとそれぞれの炎が円を描くように動き始めた。春の夜に浮かぶ炎のゆらめきを、住民らがうっとりと見つめていた。