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アルピコがカーレースに初参戦 バス担当の社員が挑む

参戦に向けてラッピングしたラリーカーとメカニック担当の守屋さん

 アルピコグループは、トヨタ自動車のレース部門が初心者向けに企画する国内ラリーシリーズの八ケ岳茅野大会(主会場・茅野市運動公園)に初参戦する。ドライバーやメカニックをグループ内で公募し、普段はバスの運転や整備を担っている社員がレースに挑戦する。16日に迫った本番に向けてメンバーが気持ちを高めている。

 アルピコは蓼科高原(茅野市)でレジャー事業を展開しており、地元開催のラリーを盛り上げたいと昨年から参戦を構想してきた。グループの総力を挙げて挑戦をしようと、ドライバーとメカニックを募集したところ、ドライバーには交通部門以外からも、スーパーやサービスエリアのスタッフ、保険の販売担当など多彩な職種の約20人が名乗りを挙げた。
 厳正な面談の結果、レーサーにあこがれて若い時に国内A級ライセンスを取得した、アルピコ交通の河野浩之さん(44)が経験を買われて選ばれた。河野さんは普段は観光バスを運転している。自身としても念願の参戦だといい、「みんなの期待を感じる。チャンスをもらったことに感謝し、完走を目指して運転したい」と話す。
 今回はトヨタからラリー仕様のコンパクトカーを借りて出場する。車体にはアルピコのシンボルとなっているストライプ模様などを社内工場でラッピングした。初挑戦のため、未舗装路を速く走るために欠かせないタイヤ空気圧の調整など、走りについては手探りなことが多い。普段はバスを整備している、メカニック担当の守屋丈幸さん(44)は公共交通を担うためレースも安全第一としつつ、「参加するからにはより上位を目指し、限界に挑戦したい」と意気込む。
 協力を買って出る社員も多く、ラリーには20人以上が関わるという。アルピコホールディングスの佐藤裕一社長は「挑戦を通じて社内の雰囲気が盛り上がってきている。継続参戦していきたい」と話す。