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塩尻の大門商店街の旧ハリカを再生 交流拠点に 有志で会社設立 CF活用

滞在型交流拠点として再生を図る大門商店街の旧ハリカ店舗前に立つ横山代表(右)とCF担当の西出裕貴さん

 塩尻市の大門商店街にある旧ハリカ塩尻店の空き店舗を、地域づくりの人材育成を図る滞在型交流拠点「en.to(えんと)」に再生させる計画が進んでいる。地域企業や市民有志らが出資して近く設立する合同会社が運営する。来月10日まで、リフォーム費の寄付をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 大門三番町の旧店舗建物は、昭和7(1932)年ころからの木造2階建て延べ約580平方メートル。県道塩尻停車場線に面した建物北側部分は1階を交流スペース、2階を短・中期で宿泊できるゲストハウスに、南側建屋は短・中期でお試し居住が可能なシェアハウス(10室)とする。中間の建屋を部分解体し減築し、2施設を各200平方メートルずつ確保する。シェアハウスは今秋に居住可能にし、ゲストハウスは令和7年には完成させる計画だ。
 市内でマッチングやキャリア支援をするNPO法人・MEGURU(めぐる)が所有者から無償譲渡を受け、大部分の土地・建物は定期借地契約を結んだ。施設と同名の合同会社en.toがMEGURUから運営を受託する。地域おこし協力隊員の配置で行政の協力も得られる見通し。
 老朽化した旧店舗は令和3年11月~5年1月に10回、延べ約120人の市民有志らによる片付け作業が行われた。解体ではなく、商店街を象徴する歴史を重ねた大きな建物を「再生できないか」と検討してきた。塩尻駅近くの宿泊施設不足や、若者が集い地域と関わる場所がない課題を解決し、第三セクター・街元気カンパニーとも連携し中心市街地活性化につなげる狙い。
 運営支援など何らかの形で協力したい人は、LINE(ライン)のオープンチャットに参加できる。
 CFの目標額は400万円で、寄付は5000円~50万円の範囲内で返礼も用意した。社会活動のCFサイト・フォーグッドで閲覧できる。合同会社の代表社員となる横山暁一さん(31)は「地域に愛着を持って楽しいまちにするため、この拠点からさまざまな形で発信したい」と語る。