2023.4.6みすず野
NHK連続テレビ小説を毎朝しっかり視聴したのは「カーネーション」が最後か。放映時間は会社に居る。その前の「おひさま」は安曇野が舞台だから、もちろん見た。今回の「らんまん」は日本植物学の父、牧野富太郎がモデルというので何とか時間をつくりたいのだが◆博士には小欄たびたび図書館で、お世話になっている。植物の話題を取り上げるとき、著書に当たれば決まって門外漢が知りたい以上のことを教えてもらう。博覧強記の知恵袋であり、風が吹けば舞ってしまう拙文にとって重しのような存在だ◆坂本龍馬が脱藩した文久2(1862)年生まれ。12歳の時地元に小学校が開校したが〈いつとはなしに〉退学。22歳で「日本植物志」を編さんしようと思い立つ。大学の教室への出入りを禁じられたり、周囲のやっかみで助手を辞めさせられたりもした(『わが植物愛の記』河出文庫)◆77歳で東京帝国大学理学部を去る時の肩書は(名誉教授とかではなく)講師のままだった。文化勲章の授与は昭和32(1957)年の没後である。いつまでもポストに恋々としている元官僚の人たちにも、ぜひドラマを見てもらいたい。