連載・特集

2023.4.29みすず野

 きょうから大型連休が始まる。1日、2日に休みを取り、9連休という人がいれば、かき入れ時で休みがとりにくい人もいることだろう。小社のように、全社員が一斉に休日を取れない職種もたくさんある◆観光地は今季、コロナ禍前のにぎわいを取り戻そうと取り組んでいる。一昨日、塩尻市の奈良井宿を歩いたが、青空の下で宿場町の雰囲気を楽しむ観光客が行き交っていた。外国人の姿も多い。立ち寄った土産品店では「コロナ前の8割ほどは回復しているのでは」と表情が明るかった◆奈良井宿観光案内所は「4年前ころの水準に戻ってきた。宿泊施設は5月中はほぼ満杯のようだ」という。宿場につながる国道19号の両側にそびえる山は、複雑な濃淡の緑色で息づき、絵筆で色を飛ばしたように山桜が彩る。この季節だけの景色だ◆連休の騒がしさが収まったころ、のんびり旅に出られたらと毎年思うのだがいつになることやら。「窓」という詩で旅気分をちょっぴり。「夜汽車の窓からの 夜とは/大きい 暗い 柔いものだ/光の閃めきで 切り裂かれ」(カール・サンドバーグ『木島始訳詩集 やさしいうた』リブロポート)