地域の話題

小野神社の御柱祭 木遣り伝承、女性も担い手

木遣り唄をうたう髙木さん(右)と三枝さん

 塩尻市北小野の小野神社の木遣保存会(米山公介会長、16人)で、4人の女性が活躍している。このうち、乳製品配達業・髙木まゆみさん(57)と会社員・三枝実生子さん(33)は北小野に移り住んだ後に"木遣り師"となった。昨年夏に入会し、地道に練習を重ねてきた。仲間たちは「めきめき上達している」とたたえる。3~5日の御柱祭でも2人の活躍が見られそうだ。

 髙木さんは御柱祭の本場、諏訪郡下諏訪町出身。夫が地元出身で、一昨年引っ越してきた。以前から木遣りに興味があったが、きっかけがなかったという。そんな思いが会員の耳に届き、入会することに。御柱木を決める「本見立て」(昨年7月)でデビューした。
 下諏訪に比べて北小野は音程が低く「出だしは入りやすい」という。御柱木を山中から曳き出す「山出し」(3月下旬)の曳行では、柱の上に乗った。「自分の声がきっかけとなり、曳き手が心を一つに柱を動かすのはうれしい」と喜ぶ。
 三枝さんは福井県出身。転勤族の夫が塩尻に転職・移住したのを機に移り住んだ。北小野では令和2年夏から暮らしている。本見立ての際に勧誘され、御柱木を伐採する元伐祭(昨年11月)は会員として参加した。「大変だけど、皆が楽しんでいるのが伝わってくる。地域の一体感はこの祭りがつくっている」と感心する。
 木遣り唄は「節回しが独特で頭に入るまでが難しい」というが、車でCDを聞き、練習を重ねた。2歳の長女も自然とうたい始めたといい「子供にも受け継がれていく。良い文化」とほほ笑む。
 保存会員は一連の神事で、木遣り唄をうたう。子供木遣や青年団への指導役も担っている。髙木さんは「さらに女性が増えるといい」、三枝さんは「1人でも多くうたい伝統をつないで」と期待する。