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高校野球の名将 中原英孝監督が今夏で勇退へ

今夏で監督を退くことを選手に伝える中原監督

 日本ウェルネス長野高校(筑北村)野球部の中原英孝監督(77)が、今夏を最後に勇退する。26日に選手たちに伝えた。松商学園、長野日大、ウェルネスの3校で監督を務め、今季で監督40年目。春夏通算で甲子園に11回出場して14勝を挙げた名将は、選手たちに「今年は甲子園に連れて行ってください」と呼び掛け、有終の美を飾るべくチーム一丸で頂点を目指す覚悟を示した。

 中原監督は松商学園高、明治大を経て昭和43(1968)年に松商学園の監督に就任。平成3(1991)年には春の選抜大会でチームを準優勝に導いた。長野日大でも甲子園に出場。ウェルネスでは創部2年目の平成29年に、秋季県大会で優勝を収めている。
 監督を退く時期については4、5年前から考えていたという。後継者が育ち「安心して任せられると思った」(中原監督)ことで、今夏での退任を決めた。
 "中原野球"として、戦略や分析といった独自の野球哲学を確立し、勝負に徹すると同時に高校野球を通しての人間教育に力を注いだ。指導者として一貫してきたことは「『一生懸命やれ』。この一言に尽きる」。これまでを振り返り「最高の野球人生」と語る一方で、「ウェルネスで夏の頂点を取りたいという思いがある」とし、今夏に向けて「選手とともに必死に一生懸命やる」と語気を強めた。
 退任の報告を聞いた三原田京成主将(2年)は「驚いた。寂しい気持ちになったが、もう一度、監督を甲子園に連れて行きたいと強く思った」と語った。