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小野御柱 山出し勇壮に 塩尻できょうも

力を合わせて山中から御柱木を曳き出す氏子衆(三之柱)

 塩尻市北小野の小野神社御柱祭の山出しが25日に始まった。初日は一之柱と三之柱となる御柱木を山中から出し、集落近くの奉置所へと曳いた。26日は二之柱、四之柱の山出しをする。

 三之柱を担当する大出区は、宮前区や矢彦神社(上伊那郡辰野町)関係者の協力の下、最大斜度35度、長さ約40メートルの斜面でアカマツを曳き出した。雨で地面がぬかるむ中、柱の向きを変えながら数メートルずつ慎重に曳いた。元綱長の青木竜一郎さん(58)は「柱が走りひやひやしたが、けが人もなく無事曳き出せた」と安堵の表情で話した。
 平地では木遣り唄とラッパに合わせ約200人が綱を曳き、880メートルを曳行した。木遣りを担当した青年会「親睦社」社長・赤羽陽介さん(28)は「コロナ禍で活動に制限もあったが新たに若い人が加わり、歌い継ぐことができた。次の代につないでほしい」と願った。
 大出区の実行委員長・両角東平さん(69)は「どんな天気であろうと皆で力を合わせ祭りができることを祈っていた。最高の気分」と喜んだ。
 一之柱の曳行は上田区と、応援する古町区の氏子約300人が参加。あらかじめ林内から近くの道路へ出しておいた柱を、約2キロ先の奉置所まで曳いた。上田区の実行委員長・赤羽忍さん(72)は「雨なので人が集まるか心配だったが大勢来てくれ、ありがたい。路面がぬれているので滑り、いつもより進みやすかった」と話していた。