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『ぼっち・ざ・ろっく!』効果? エレキギター人気

店内に並ぶエレキギター(島村楽器松本パルコ店)

 松本地方でエレキギターの人気が高まっている。高校生や中高年の目が向き、楽器店の売り上げが伸びている。人気漫画の影響、新型コロナウイルス禍の落ち着きといった理由が背景にありそうだ。

 「憧れのギターはレスポール」―。松本市中央1の島村楽器松本パルコ店を訪れた安曇野市在住の男子高校生は目を輝かせ、いつか弾いてみたいと願った。
 同店によると、昨年12月と今年1月のエレキギターの売り上げは前年同月比で2倍。2月も好調、3月に至っては前年同月比3倍ペースで推移している。
 同店の太田幹雄さん(48)はテレビアニメ化もされた漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』(芳文社刊)の影響を指摘する。エレキ熱は全国的な傾向で、漫画の主人公にちなんだレスポールタイプやストラトキャスタータイプが人気だ。
 入門者向けギターの販売ペースは月に2~3本だったのが、7~8本に伸びた。若年層に加えて中高年男性の来店も目立つ。アニメを見て、若いころに親しんだ人が再開するといったケースもある。
 新型コロナウイルス禍で外出控えを強いられた時期は、自宅でアコースティックギターを弾くという楽しみ方が見られた。コロナが落ち着きを見せる中、太田さんは「エレキを手に取り、バンドを組んだり、ライブをしたりといった動きが戻ってきているのかもしれない」とみる。
 太田さんは関心を継続させるため、音楽教室の提案やミニライブの開催などを視野に置く。「始めた楽器を続けてもらえるかがポイント」と話している。